若いうちはお手頃価格でしっかり備えよう
まだお給料がそれほど多くない新社会人にとって保険契約は大きな買い物です。「お金もないし、保険はまだ早いのでは?」とお考えの方も多いことでしょう。しかし、油断は禁物。保障内容と収入とのバランス、将来的なライフプランを見据えて、若いうちから考えておくことをおすすめします。
独身時代は「医療保険」で万が一をカバー
保険の目的は大きく分けて2つあります。ひとつは「あなたが死んでしまったとき、残された家族の生活を守るため」の保険で、これが生命保険と呼ばれるものです。もうひとつは、「あなたが病気でお金が必要になったとき、あなた自身の生活を助けるため」の保険で、これを医療保険と言います。
新社会人のほとんどはまだ独身で家族がいないため、死亡時にお金がもらえる生命保険の必要性はそれほど高くありません。その一方で、働きはじめて間もない新社会人はまだ貯蓄も少ないもの。事故や病気で働けなくなってしまった場合や、通院治療に多額の費用が必要となってしまった場合に、生活を守る手立てが不十分です。そのため、貯蓄の少ない新社会人こそ、医療保険で万が一の生活難に備えておかなくてはいけません。
毎月のコストと、保険のタイプをチェック!
20代前半の新社会人が、仕事に支障をきたすほどの深刻な病気を患うことはめったにないことです。よく病気をする高齢者や中高年といった年代に比べれば、それだけ医療保険の必要性は低いと言えます。
保険会社の営業マンは、特約がたっぷりついた「大盛り」の保険をおすすめしてくるかもしれません。たしかに特約が豊富であればあるほど、どんなケースにも備えることができて安心ではありますが、特約が多い保険はそのぶん高額になります。しかも、特約を利用しないまま解約にいたるケースが大半です。無駄な特約を省いて本当に必要な保障だけに絞るようにしましょう。
毎月の保険料は収入の1%前後に抑えておくこともポイント。無理せず入り続けられることが重要です。医療保険の保障内容は医療保険制度の更新に合わせて数年単位で進化しています。若いうちから「終身」タイプの医療保険に入ってしまわずに、まずは「定期」タイプの医療保険で様子見をするのがおすすめです。
ローコストで安心が手に入る
自分の力で生計を立てはじめた新社会人にとって、不測のアクシデントをカバーできるほどの余裕はありません。医療保険は新社会人にとって、自立した生活への強力なサポートになります。
医療保険に加入しておけば、万が一の怪我や病気の際に受ける経済的なダメージを大きく軽減できます。「若いうちは保険のお世話になることなんてない」と思うかもしれませんが、そうとも限りません。若くても重い病気を患う方は一定数いますし、交通事故やレジャー中、スポーツ中に怪我をすることもあります。こうした不測の事態が起こったとき、入院費用や、休業中に生活費が不足したぶんを補える医療保険は大きな助けになるでしょう。
ほとんどの医療保険は、若ければ若いほど保険料が安く、年齢が上がるにしたがって保険料も上がっていく料金プランになっています。したがって、20代前半の新社会人はリーズナブルな価格で十分な保証が受けられるお得な時期とも言えるでしょう。
自分に合った保険の見極めが重要
新社会人にとってもメリットの大きい医療保険ですが、一方でデメリットを感じることも。加入を検討する際、頭に入れておいてほしいポイントがいくつかあります。
新社会人の方にとって大きなネックとなるのは、金銭面での負担です。社会人生活2年目からは住民税の支払いが発生するため、手取りが減ることも忘れてはなりません。あらかじめ余裕のある支払額に抑えるのがポイントです。
保険を契約したけれど、想像以上に生活に余裕がないので解約したいという場合、途中解約によって違約金が発生してしまうことがあります。契約するときには、解約時の条件がどうなっているかをチェックしておきましょう。
新社会人の場合、自分にどの程度の保険が必要なのかわからず、不必要に保障が手厚い高額の商品を契約してしまうケースもあります。先輩や同僚と情報交換をして、焦らずじっくりと自分に合ったものを探してみてください。
このように、新社会人にとって医療保険の契約にはいくつかの落とし穴があります。契約前に、きちんとシミュレーションをすることが重要です。契約後はこまめに保険内容を見直し、不要なものは削り、必要なものはプラスすることで、過不足ない保障を受けることができるでしょう。
ライフスタイルが変化しやすい新社会人〜アラサー年代
万が一のとき生活をバックアップしてくれる医療保険は新社会人にとっても重要なものですが、一度契約した医療保険にずっと加入し続けるのは要注意。なぜなら、新社会人〜アラサー前後の年代は結婚や出産といったライフスタイルの大きな変化を迎えやすく、保険で必要とされる保障も変化するためです。また、頼れる先の両親が定年退職を迎え、よりいっそう自分自身での備えが必要となってくることもあるでしょう。
人生に変化が起きやすい若い時代だからこそ、人生のステップアップに応じて1年〜数年単位での保険内容の見直しをおすすめします。