医療保険を見直す際の注目ポイントを解説!
医療の進歩や医療制度の改正は日々起こっていて、いざというときに必要になる保障もそれに伴い変化しています。定期保険であれば更新の際に見直すのが普通ですが、長期的な保険に加入している人も定期的に保険の見直しをすべきでしょう。
しかし、単に「もっと安くしよう」とか「もっとたくさん保障をつけよう」と考えなしに見直しをしても高い効果は得られません。それどころか元のものより損をする保険内容になってしまうことがあるので要注意。ポイントを押さえて適切な見直しを行ないましょう。
医療保険を見直すなら4つの点に注目しよう!
医療保険の見直しで最低限気をつけておきたい4つのポイントをまとめました。自分の体やとりまく環境は年々変化していきます。医療保険もそれに対応して変化させていかなければ、十分な保障が得られません。以下の4つの点を意識して定期的な見直しを行なってみてください。
以前は十分だった保険内容でも、ライフスタイルや年齢の変化によってカバーしきれない部分が出てきます。医療保険を見直する際には、保険内容が今の自分に適しているかどうかをきちんと見直すことが、最も重要と言えるでしょう。
「以前は入院給付金1日あたり○○円に設定していたけれど、子供が生まれて出費が増えたからもう少し手厚くしておこう」「最近は通院での療養が重視されているから、通院をサポートしてくれる医療保険に変更しよう」などこの機会にサポート内容を見直してみてください。
保険内容は手厚ければ手厚いほど安心感が高まるでしょう。しかし、手厚すぎると心配になってくるのが料金です。内容を充実させるほど保険料の負担も大きくなっていくのでバランスが大事。どんなに内容に満足いく保険でも、保険料が家計を圧迫してしまっては意味がありません。
必要性があまりない特約はとる、入院給付金・手術給付金を減らす、料金が安い保険に入り直す、など負担が大きくなりすぎないように料金も見直してみてください。年払いや一括払い、月払いなど支払い方法も保険によって違うので、支払いやすい方法を選ぶのが最適です。
医療保険に対するニーズは年々変化していきます。例えば高齢になってくると病気のリスクが高まるため、がん特約や三大疾病保障特約が気になったりするでしょう。女性向けの保険が増えているというニュースを目にして、女性疾病特約を付けたくなることもあると思います。見直しの際には、今の自分のニーズにあった保障が付けられているかをチェックするのがポイントです。新しい保険がどんどん増えているので欲しかった内容が見つかるかもしれませんよ。
また以前の保険だと新しい治療に対応していないケースが多いので、対応範囲を確認しておきましょう。自分が特に心配な病気に対してしっかり備えられるかを見直してみてください。
主要の保険にオプションとしてつけられる特約。特定の病気になったときや入院したときなど、一定の条件で給付金をもらうことができるものです。医療保険は保険会社によって内容が大きく異なり、付加できる特約に違いがあります。当然「この保険会社だと自分が付加したい特約がメニューにない」という場合もあるのです。
いますぐ必要でなかったとしても「将来的こんな特約が付けられたらいいな」と思うものがあれば、自分が加入している保険会社で付加が可能かどうかチェックしておきましょう。付加できない場合は医療保険そのものの見直しや、別の保険の追加加入の検討が必要です。
特約を付加するタイミングについても、主契約と同時に契約しなくてはならないケースや中途付加ができるケースなどさまざまなので、この点にも注目してください。
安易に違う保険に乗り換えるとトラブルの原因に
医療保険を見直す際、当然他の保険会社への乗り換えを考えることがあると思います。今のものは古いから、という理由だけで新しい保険の乗り換えると、思いもよらないトラブルが発生する可能性があるので気をつけましょう。なるべく料金を節約しながら十分な保障を受けるため、注意しておきたい3つのポイントを紹介します。
昭和末期から平成初期(バブル期)の予定利率が非常に高い保険は、俗に「お宝保険」と呼ばれています。予定利率は契約者に約束される運用利回りのこと。例えば予定利率2%の保険だと支払った純保険料部分に対して毎年2%の利息がつきます。
では予定利率が高いと何が良いのでしょうか?例を出して考えていきましょう。例えば、10年で100万円積み立てる場合、予定利率が0%だと利息がつかないので毎年の支払い額は10万円になります。でも予定利率が2%の場合、毎年の支払い額は10万円から利息分の2%を引いた分の8万円ほどで良くなるんです。このように、予定利率が高いほど定期的に支払う保険料が安くなります。
バブル期の保険は現在に比べて予定利率がかなり高く設定されているものが多く、見直しによって同程度の保険に変更してしまうと月々の保険料が高額になってしまう可能性が…。バブル期の保険ならすべてそうなるわけではありませんが、見直しの際には予定利率を頭においておくと良いでしょう。
医療保険・生命保険に加入する際には告知書を提出して保険会社の審査を受けるのが一般的です。告知書には名前や生年月日、仕事内容といった情報から「3ヶ月以内の健康状態」「過去5年間の病気やケガ」について記載する項目があり、保険会社はそれをもとに加入しても良いかどうか判断します。このとき、健康状態によっては加入できなかったり保障額を減額されてしまったりする可能性があるので注意しましょう。
保険は加入者から少しずつ保険料を集めて、まとまった金額を病気になった特定の人に支払うことで成り立っています。このとき保険料を支払う対象が多くなると、全員に適切な料金サポートを行なうことができません。病気を発症する可能性が高い人を加入させるのは保険会社にとってリスクが高くなります。そのため、健康状態が悪い人はそもそも加入を認められなかったり、保証される金額が低くかったりするわけです。「保険を乗り換えようと思ったら、新しい保険に加入できなかった」というケースがあることを考慮して見直しを行なってください。
医療保険の中でも30年や40年など保険期間が長期にわたるものは「全期型医療保険」と呼ばれたりします。65歳や70歳で保険期間が満了するものが多く、主に定年退職するまでの就労期間をサポートするための保険です。しかし、高齢化社会の加速によって定年が延長されている現代、保険期間が満了してもまだ現役というケースが考えられます。病気のリスクが多い高齢者になって医療費の備えがなくなるのは心配。何らかの対策をとることが必要になります。
現在全期型の医療保険に加入されている方は、「期間満了後に医療費への備えが必要になったら対応できるかどうか」を検討してみてください。場合によっては終身型の医療保険へ乗り換えたほうが良いかもしれませんよ。全期型保険の期間が満了になってから乗り換えることもできますが、満了時の年齢だと病気のリスクが高いのでかなり高い保険料を支払わなければならない可能性があります。乗り換えを考えるなら早めの判断が大切になるでしょう。
適切なサポート内容は常に変化する
加入するときは気合を入れてあれこれ考えたものの、一度入ってしまうと内容を見直すのが面倒になっている人も多いのではないでしょうか?「はじめにしっかり決めたから大丈夫」と思っていても、時間がたつと適切な保険内容は変わります。定期的に保険を見直す理由を把握して、もしものときに備えましょう。
保険はもしもの病気に備えるもの。そのためには自分のニーズに合った保険に加入することが大切になります。あなたの入っている保険は本当にあなたが必要だと感じて加入したものですか?自分が必要だと思っている病気をきちんとカバーしてくれますか?しかるべき時に正しいサポートを受けるためには、ニーズに合った保険が備わっているか見直す必要があるでしょう。
極端な話ですが、男性が女性特有の病気に備える保険に入っても、ほとんど意味がありません。発症のリスクが低い病気にばかりお金を払って、いざ発症した病気が保障の対象外だったら保険が正しく機能しているとは言えないでしょう。「この病気の保障を手厚くしたい」「入院よりも通院のサポートを増やしたい」など、自分に合った保険に切り替える必要があります。
手厚い保障の保険だと月払いでも結構な金額が必要になってくるものです。ムダな出費を抑えるためにも保険の見直しは大切でしょう。そこまでリスクを感じていない病気に手厚い保障がつけられていたり必要ない特約が付加されていたりする場合、保険を見直すことで料金を節約できます。
「ムダとは言わないけれど自分にとってこの給付金は多すぎる」という部分も見直すと良いですよ。将来のことはわからないので、あれこれと保障をつけたくなるものです。ただ、病気やケガをしたときには国から受けられる保障もあるのでお忘れなく。バランスを考えて毎月の負担が大きくならないように調整するのが最適でしょう。全体的に保険料が高いと感じたときは、保険会社を乗り換えるのも有効かもしれません。
みなさんが「保険の見直しを考えようかな…」と感じるのは、ライフステージに変化があったときが多いのではないでしょうか。『社会人になって親元を離れた』『結婚して子どもができた』『退職して収入が減った』など。中には年齢的な不安からより手厚い保障への見直しを考える人もいると思います。必要になる保険の内容は、身体の変化や周りの環境と同じようにライフステージの段階によって変化するもの。生活環境が変わったら保険も見直す必要が出てきます。
家族ができたら自分だけでなく家族の生活に対する備えも必要になってくるでしょう。会社を定年退職して年金生活を送ることになれば、限られた収入の中でどのように病気に備えるかを考えなくてはなりません。加入時点では最適だった保険でも、時間によって変化するので見直しが必要なのです。
時代によって医療に対する考え方が変わるので、それに合わせて保険を見直すと最適なサポートが受けられるようになります。例えば近年は全般的に病院への入院期間を短くしようとする傾向が見られ、がんのような病気でも平均入院日数は20日以下。平均在院日数は1990年のデータの70%にまで減少しています。入院より通院での治療が重視されている現代では、通院治療へのサポートが厚くなるように保険を見直したほうが最適なのです。
このような医療体制の変化は医療の進歩や社会の動きによって、日々少しずつ起こっています。従来の保険では入院や手術の保障が厚くなる傾向があるので、見直すことなく利用していると欲しいサポートを受けられず困ることがあるでしょう。定期的に保険を見直していくことで、現在の医療体制にあった保険をつけることができ、病気やケガのリスクに備えられます。
保険はポイントを押さえてながら定期的に見直そう!
保険内容をイチから確認して今の状態に適しているか調べ、月々の料金を調整する作業を面倒に感じるのは無理もありません。しかし、保険を見直すことは病気やケガにしっかり備える体制を整えるために重要です。
定期的に内容を見直せばいつでも今の自分に適した保障を受けられるため、急に体調が崩れたときでも安心。ライフステージによって変化するニーズに合わせて不必要な保障をはずしていくことで保険料の節約にもつながります。上で紹介したポイントや注意点をチェックしながらぜひ保険を見直してみてください。