日額or実費?終身or定期?医療保険のキホンを徹底解説
うつ病や統合失調症、パニック障害など、昨今ではストレスや過労により罹患する人が増えている「精神疾患」。終わりが見えにくい病気なので、通院や入院も期間の目処が立たないことが多く、医療費が徐々に大きくなっていきがちですよね。
こういう時に便利なのが「民間の医療保険」ですが、実は精神疾患がある場合、医療保険に加入しにくいという実態があります。一体なぜなのか?というと、以下のような理由があるからです。
医療保険は、基本的に持病があると加入しにくいと言われています。月々無理のない保険料を支払うことで、将来的な医療費をサポートする、という仕組みなので、加入直後に通院や入院の機会が訪れてしまうと保険会社の損になりやすいのです。
既に終身医療保険に入ってから精神疾患になった場合は安心と思いがちですが、終身型は定期的に「更新」が行われる傾向にあり、その時精神疾患が見つかれば保険料が上がる恐れもあります。
精神疾患は、直接的には身体に影響しないというイメージがありますよね。しかし、実は患うことによって他の病気のリスクも上がると言われているのです。
病気の大敵はストレスですし、働けない、外に出られない、複数の薬を併用しなければならない……など、様々な身体的負担がかかりやすいため、最終的には身体的にも不調を来しがちになるということですね。
これはあまり考えたくないことですが、精神疾患に罹る方は社会的、経済的、家庭的など、様々な問題を抱え、追い詰められていることが多いです。
そのため、加入直後に自殺されたら……という気持ちから断る保険会社も少なくはないと言います。ただし、保険会社によっては自殺では保険金が下りないこともあります。加入前の説明をよく確認してみましょう。
このように、現在精神疾患を抱えている方は医療保険に入りにくい、とされているのは、様々な理由から事実と言えるでしょう。しかし、問題は「過去に通院歴や入院歴はあるものの、既に完治している」場合です。
何と、完治していても精神疾患に罹った経験があると、医療保険に入りにくいことが多いと言われています。やはり何をもって完治とするかの曖昧さや、一度罹った人は再発率が高いというイメージなどが関係しているのでしょう。
じゃあ、加入時に過去の精神疾患についてわざわざ言わなければよいのでは?と思いますよね。ですが、多くの医療保険では加入時に「過去5年間の入院歴や通院歴、持病など」を報告せねばならないことになっています。
仮に加入時に隠していても、いざ保険料が支払われる段階になれば徹底的な調査が行われるので、最後まで秘匿することは困難です。また、事実が明るみになれば保険会社からの信用が格段に落ちますから、絶対に誤魔化すのはやめましょう。
逆に言えば、入院や通院から「5年が経過」すれば、保険会社への報告義務はなくなります。つまり、過去に精神疾患の経歴があっても、5年経てば通常の医療保険に入れるようになるということです。
また、精神疾患にも様々な種類があります。「心療内科に罹ったことがあるんだけど……」という程度の人はこのご時世少なくありませんが、どこから疾患と見なされるか?と言えば、基本的に「診断が下されれば」と言えるでしょう。
仕事疲れやストレスで落ち込みが激しく、心療内科やカウンセラーに相談しただけでは精神疾患とは呼びません。持病になるのは、うつ病やパニック障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの病名が付き、薬を処方されるようになってからです。
うつ病
常に憂鬱な精神状態が続き、元々楽しんでいた趣味や娯楽すら難しくなるのが特徴。睡眠障害を併発することも多い。趣味や娯楽は難なくこなせる「新型うつ」も存在するものの、こちらは適応障害の一種に近いとも言われる。どちらにせよ気力では解決できない。
適応障害
強いストレスを感じる環境において、社会的機能が著しく衰える病気。主に仕事や子育てなど、それまで当たり前にできていたことが困難になる。ストレスから解放されると緩和されることが多い。
パニック障害
前触れなく激しい不安感やめまい、息切れなどに襲われる病気。過労やストレスなどが原因になりやすく、10分~30分ほどで症状は沈静するものの、慢性的になりがちなので仕事や日常生活に不具合を起こすことも多い。
統合失調症
感情表現が著しく乏しくなったり、物事の優先順位が急に分からなくなったりする。代表的なのは認知の歪みで、悪化すると幻覚や妄想から周囲に迷惑をかけることも多い。
上記は代表的な精神疾患ですが、中には通院、入院歴はもちろん、現在こういった症状があっても加入できる医療保険が存在します。基本的には以下の2種類があるため、自分の目的や収入などに合わせて選びましょう。
過去から現在に至るまで精神疾患の通院、入院歴がある場合、まずおすすめなのが「引受基準緩和型医療保険」です。加入時に告知せねばならない項目が少ないのが特徴で、精神疾患に関する記述欄がなければ難なく申し込めます。
1年ごとに保険料が更新される定期型と、一生涯保障が受けられる終身型が存在し、前者には保険料が比較的安いというメリットが。ただし、中には通院の特約が受けられないものもあるようなので、加入前にご確認ください。
こちらは基本的に「告知不要」なのが特徴。ならはじめから無選択型を選んだ方が良さそうですが、引受基準緩和型以上に期間、保険料などに制約が大きい傾向にありますから、まずは上記に申し込んでみて、駄目なら無選択型、という流れがおすすめです。
とはいえ、精神疾患でも入れる医療保険にはデメリットも存在します。
審査が優しい分、保険料が一般的な相場より高い傾向にある
引受緩和型や無選択型の場合、最たる注意点が「保険料の高さ」。一般的な医療保険よりも月々の保険料が高くなりやすいので、自分の収入的に無理がない額かを見極める必要があります。特に就労が難しい方はしっかりとご確認ください。
いったん加入しても「更新型」の場合、悪化すると告知が義務付けられることも
いったんは加入できても、更新タイプを選んだ場合は精神疾患の状態によって保険料が上がる恐れがあります。
医療保険に入っておいた方が安心だとは思うけれど、経済的、条件的にどうしても難しい……という場合も多いでしょう。その場合は「自立支援医療」という公的な制度を頼れることもあるので、まずはお近くの公的機関で相談するのがおすすめです。
精神疾患は保険が利かないイメージもありますが、通院であれば上記のサポートで上限金以上を支払う必要がなくなります。ただし、元々の所得が高い方は通常の医療費を負担せねばならないこともありますから、充分ご注意ください。